品種と品質へのこだわり——「しもかわしいたけ」の肉厚な一粒
「しもかわしいたけ」の肉厚で香り高い味わいは、品種選びと菌床づくりの積み重ねから生まれています。安定した品質の裏には、現場の地道な改良があります。「同じものを作り続ける」のではなく、「より良いものへ更新し続ける」姿勢が、この一粒を支えています。
10年使った品種から、新しい品種へ
栽培開始から長く、しもかわしいたけは約10年間、同じ品種を育ててきました。その品種に習熟し、安定した品質を届けてきた歴史があります。
それでも生産者はそこに安住しませんでした。「もっとおいしいしいたけを届けたい」という想いから、より優れた品種への切り替えに踏み切ります。
長く使った品種を変えるのは、簡単な決断ではありません。栽培の勘やノウハウは品種ごとに積み上がるもので、新しい品種に変えれば、そのぶん一から調整し直す手間が生まれます。それでも変えると決めたところに、現場の姿勢が表れています。
新しい品種を選ぶときに重視したのは、次の4点です。
- 食味:噛んだときに広がる、しいたけ本来の旨み
- 見た目:傘の色つや、形の美しさ
- 食感:肉厚でジューシー、軸まで美味しい食感
- 収穫量:安定して多く収穫できる生産性
なかでも収穫量は重要な基準でした。どれだけおいしくても、安定して穫れなければ、お客さまに継続して届けられません。「おいしさ」と「届け続けられること」の両方を満たす品種を、妥協なく選び抜いています。
味だけを追えば届ける量が不安定になり、量だけを追えば味が落ちる。そのあいだでバランスを取る判断こそが、産地として続けていくための要になります。こうした不断の改良が、いまの「しもかわしいたけ」の品質を支えています。
北海道産の木から生まれる「菌床」
しいたけが育つ土台となる菌床には、北海道産のミズナラ・シラカバを細かく砕いたオガコ(おが粉)を使います。これに米ぬかなどの穀物と、森から湧き出た下川町の水を加え、ブロック状に固めて作られます。原料のほとんどが、町とその周辺の自然から来ているということです。
菌床づくりから菌の培養、収穫、選別、パック詰め、販売まで、すべての工程を自社工場で一貫して行う体制を整え、品質と安全性にこだわっています。どこか一工程を外注するのではなく、原料から出荷まで自分たちの目が届く範囲に置く——一貫管理は、品質を安定させるための土台になっています。
厳しい寒さが育む、肉厚・軸太・香り高
下川町の厳しくも豊かな環境のなかで、時間をかけて育つことで、しもかわしいたけは次のような特徴を備えます。寒いぶん成長はゆっくりですが、その時間が身の詰まった一粒をつくります。
- 肉厚:傘がぷっくりと厚く、噛むほどにジューシー
- 軸太:軸まで美味しく食べられる、しっかりとした食感
- 香り高い:森の恵みを思わせる、深く豊かな香り
- 傘が締まっている:傘の開きが小さいうちに収穫し、良いものだけを厳選
肉厚で水分をたっぷり含んでいるため、焼く・煮る・揚げる、どんな調理法でも素材の旨味がしっかり感じられます。火を通しても縮みにくく、軸まで食べられるので、一枚で食べごたえがあります。シンプルに網焼きにして塩を一振りするだけでも、しいたけ本来の甘みと香りが口いっぱいに広がります。まずはその食べ方で、一粒の厚みを確かめてみてください。手をかけた料理よりも先に、いちばん素朴な食べ方が、この一粒のよさを教えてくれるはずです。
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